埋まらない認識の違い

 もう書きたくないといいながら書く。


 派遣会社に採用側として勤める方のブログ。業務で出会った面白エピソードを紹介していて、たまに考えさせられる記事もあって、たしか本にもなっている。昨日今日始まったものじゃない。

 そのブログで、坂本哲志総務政務官の発言について書かれたのが1月6日で、追記が昨日UPされた。

僕の営業所に年間だいたい
1,000人以上の方が
登録スタッフとして来られます。

その内、期間を決めて働きたい方や、
子供さんを育てるという理由で短時間を希望する人や、
地方から出てきたばっかりで、住み込みの仕事を働いている人や、
漫才やミュージシャンを目指したいので、正社員を拒む人や、
正社員と派遣との収入を比べて、事務派遣を選ぶ人など、
自分の環境に合わせて選択している人が8割ぐらいです。


それでも、2割前後の人が
ブログに登場するような人なんですよね。

http://makegumi.livedoor.biz/archives/51445309.html


 「ブログに登場するような人」とはこんな人。

問合せの電話で

「もしもし?これいける?」

なんて、いきなりため口のやつ、とらねぇし。

「あ、とりあえず5,000円前借してほしいんだけど。」

なんて、当たり前に聞いてくる奴、いらねぇし。


面接に来るなり

「ところで、前借いける?」

と、仕事そっちのけで聞いてくるやつや、

「住民票がいるんですか?どこだったかな〜・・。」

と、所在地も身分証ももってないやつや、

「え?職歴?ないです。8年間家にいました。」

と、いったい何をしてきているのかわからんよーなやつを
企業が「じゃ、うちで働いてください。」なんて言わないって。


 で、結論。

だから、簡単に仕事できそうな
派遣会社にどんどん流れた気もします。
(これは、ここ最近の話でもなく
 数十年前から変わっていない気がいします。
 当時は派遣会社でなく、請負会社ですが)


自業自得でこうなった人は
基本的に容赦なく不採用ですし、
万が一、採用してしまった場合でも
気がつけばフケるか、切られます。



でも、中にはどうしようもなく、って人もいるのも事実。



事業に失敗して自己破産した人や、
保証人で借金してしまい、離婚して来た人や、
会社が倒産してなかなか就職が決まらない人とか。

こういった人も、前者の人と同様
前借をしたり寮に入ったりします。


でも、半年1年後には
自分で部屋を借りて行ったり、
いつの間にか前借も終わっています。


だから、企業からも派遣元からも
決して切られることはないんですが、
大抵数年もすると自分から去って行きます。


 ここで、「派遣村叩き派」と「派遣村叩き叩き派」の違いが出る。

 「派遣村叩き派」はこの話を事実だし当然だと思う。

 「派遣村叩き叩き派」は、この話を①事実誤認②特殊な事例③ねつ造④そんなことは問題では無いと言うだろう。

 そして、その違いは絶対に埋まらない。聞く耳持たないから、お互いに。*1



 続けて。

僕は派遣会社の会社員ですが、
派遣会社に単純作業でずっと働くことは
スタッフにも言うんですが反対です。

派遣会社はうまく利用して
なんらかの形でステップアップする為に
踏みつけていってもらうべきだと思います。



あ、これはあくまで単調作業なわけで、
事務派遣やシステム派遣、受付、CADオペなどの
若干特殊なものはちょっと違うんですけどね。


 「派遣」についての是非はともかく、今存在するシステムの中でどう動いていくかを考えると、この考えが現実的なのではないだろうか。

 確かに、「派遣」は導入時の想定とは違うものになっている。違うものにしたのは雇用側で、その意味で国や企業の責任は大きい。それは明白だ。

 でも、それが全ての事柄に対する免罪符にはならない。相手が悪いんだから、何をしてもいい訳じゃない。

 自らのキャリア、スキルに鑑み、自分にとってベターな選択をチョイスする。いつの時代も求められるのはそれであって、ただ楽な方へ流れることじゃない。だから、叩かれるんだと思う。*2


 それにしても、結局集まった人たちは何だったんだろう。増田に、その部分をボランティアの人に聞いた件が書いてあったが、調べる気もないらしい。「無償の愛」こそ尊いということなんだろうか。

*1:それが悪い、とは言わない。僕も同じかもしれないし。

*2:たばこやパチンコだって「楽な方へ流れる奴の象徴」だから「まずそれをやめろ」と言われるんだろう。